CARE
光、風、暖、水、土 多肉植物が生きていくために欠かせない5つの要素です。多肉植物の多くは、アフリカやアメリカ、ラテンアメリカの乾燥地帯から来ました。特殊な自然環境に適応するために進化してきた植物なので、健康に育てるには原地の環境に近づけることが必要です。日本の冬は寒すぎ、夏場は湿気も多く日差しが強すぎるので季節に合った管理が大切になります。
基本的には屋外で育てたい植物ですが、ベランダにスペースがない集合住宅や北向きのお部屋の場合、基準を満たした植物育成用LEDライトとサーキュレーターを使って管理すると室内でもよく育ちます。むしろ、気温や天候に左右されない分、管理が楽になります。
植物の育成を行う事によって自然の仕組みを知り、季節の移ろいをより身近に感じることになるでしょう。
植物が生きていくための5つの要素
【光】
室内の場合は日の当たる窓辺に置き、天気の良い日は屋外に出して日の光を当てましょう。ベランダやお庭がない場合は、植物育成用LEDライトの使用をお勧めします。ちゃんと基準を満たしたライトであれば屋外に出す必要はありません。その際は、換気とサーキュレーターを忘れずに。
【風】
自然環境では風や空気の流れが常にあります。同様の環境を作り出す為に、室内では時々窓を開けてしっかり換気を行ってください。サーキュレーターなどで風を送り、空気の流れを作るのも有効です。
【暖】
【水】
表面が乾き鉢を持ってみて軽くなっていれば水やりのサインです。完全に水が乾いてからあげれば間違いありません。しかし、活動の鈍い冬場は頻度を少なくしてください。気温が下がる冬場の屋外管理の場合は、水やりを控えてもよいでしょう。
【土】
矛盾しているようですが、水はけがよくて、保水性がある用土がベストです。市販の多肉植物用の土の中には排水性に特化した物がありますので、保水性もあるものを選びましょう。慣れてきた場合には、用土を自分でブレンドする事をお勧めします。植物や鉢の素材に合わせて配合するのも楽しいものです。
季節のケア
春 植物が活発に活動を始める季節です。
- 冬の間室内で管理していた場合は、積極的に外へ出します。LEDを使って管理している場合は外へ出す必要はありません。電気代が気になる場合は、徐々に外での管理に切り替えていってもよいでしょう。
- 極端に気温が下がる日は室内に入れてください。冬のような寒さに戻る日もあます。
- 水やりは週1回程度で、土が乾いているのを確認してから。できれば朝にあげましょう。
夏 活発に成長しますが、環境に注意をしないと植物にとっても過酷な季節です。
- 多肉植物は蒸れを嫌うので風通しを良くしましょう。また、日差しが強すぎると日焼けをします。屋外に置いていてあまりにも日差しが当たりすぎる場合は、日陰に移動するなどの対策をします。遮光ネットを利用すれば移動の必要はありません。アガベに関しては、あまり気にせずに育てています。
- 水やりは週に1、2回ほど。土が乾いているのを確認してから夕方にあげます。アガベは左記の通りに水をあげて問題ありませんがユーフォルビアはその半分程度の頻度でよいかもしれません。サボテンは蒸れを嫌うので、水が完全に乾いてから5日後ぐらいを目安にあげるとよいでしょう。水やりは、必ず夕方以降にしてください。日照時にあげると水がお湯になります。LEDライトを使い室内で管理している場合は問題ありません。
秋 活動時期ですが、寒さが近づいてきています。
- 南向きのベランダなどで管理をしている場合、11月過ぎまでかなり日差しが強く、日が低くなる分、長時間にわたり日を浴びることになります。こちらも遮光ネットや日陰に移動するなどして対応しましょう。経験上、アガベは移動と遮光の必要はありません。オベサなどのユーフォルビア、アストロフィツム等のサボテンは日に焼けます。
- 水やりは週に1回程度で、土が乾いているのを確認してからあげましょう。
冬 活動が鈍くなり、気温が下がると休眠します。
- 日の入る窓辺に置きましょう。気温が下がる夜の間は、室内で窓から少し離れたところで管理します。しかし日差しが当たり気温が上がればベランダや屋外に出して日光浴をさせます。日の当たる場所や時間帯を確認して植物を移動させるのがコツです。日が当たらない北向きの場合は、植物育成用LEDライトを使い管理するのがベターです。その際は、サーキュレーターを使用しましょう。外で管理している場合は、気温が低いと休眠します。
- 水やりは、室内の窓辺で育てている場合、土が完全に乾いてから鉢の半分程度まで。暖かい室内でLEDライトで育成している場合は水が乾いてから、屋外の場合は土の乾き具合を見て月に1、2回ほど天気の良い日の午前中に水が流れ出ない程度にあげましょう。気温が下がり水も乾きにくくなるので、頻繁にあげる必要はありません。休眠状態の場合は水やりの必要はありません。気温が上がる春まで待ちましょう。
植え替え
植え替えは、植物が活発に活動している春から秋の間(3月~10月)に行ってください。ベストな時期は春になります。冬の休眠期や気温が低く活動が鈍い時期ですと植え替えのダメージを成長でカバーしません。また、水をあげても根が成長しないので腐りやカビなどの病気の原因になります。
植え替えの際は、土と枯れた根を取り除きましょう。新しい鉢に多肉植物用の土を入れ、化成肥料を元肥として加えてください。また、害虫予防としてオルトランDXを少量入れることをお勧めします。最初は匂いますが、土に加えてしまえばさほど気になりません。
弊社で販売しているものは、しばらくは植え替え不要ですが、鉢を変えると植物の表情も変わります。インテリアに合った好みの鉢に植え替えて変化を楽しみましょう。
最後に。当然、多肉植物の種類や個体差、育成場所、気温や湿気と日照状況、さらに鉢の素材等で育成方法は変わってきます。上記の日常のケアはあくまで参考としてください。書籍などを読んでさらに学んでいくのもよいでしょう。それでも実際はわからない事が多いかと思います。自分も毎日が学びの日々です。しかし、多肉植物は丈夫ですので季節を通して、光、風、暖、水、土の5つの要素に注意していれば、ほぼ問題ありません。
今後は、自分の経験を通じて記事を書いていきます。皆様も植物に合った育成方法をご自身でも見つけてみてください。一緒に楽しんで育てていきましょう。